父と過ごした、車の時間。
私が車を好きになった原点には、父との時間があります。
幼いころから、父の影響で車が大好きでした。思い出に残っているのは、父と中古車を見に行った週末です。日産のR32 GT-Rが入庫したと聞けば、二人で見に行き、試乗させてもらう。高価で、簡単には手が届きませんでしたが、憧れの車を前に父と過ごす時間は、それだけでとても楽しいものでした。
その後、トヨタ自動車北海道株式会社に勤めていたころ、私は中古のR34 GT-Rを購入しました。父は、とても喜んでくれました。
けれども、そのころ父は心臓の病気を抱えており、私が買ったGT-Rに乗せてあげることができたのは、一度だけでした。その後、父は53歳で亡くなりました。
もっと親孝行をしたかった。その思いは、今もあります。あのGT-Rに父を乗せられたことは、私にできた数少ない親孝行だったのかもしれません。
私にとって車は、父と楽しさを分かち合った記憶と、深く結びついています。一緒に見に行くこと、一緒に乗ること。車があったからこそ生まれた時間が、今も私のなかに残っています。
車には、人と人の思いをつなぎ、人生の大切な記憶になる力がある。私は、自分自身の経験から、そう感じています。
車の楽しさを、誰かの思い出に。
車を便利な移動手段として捉えることが多くなったように、私は感じています。時代とともに、車との付き合い方が変わっていくのは自然なことです。そのなかで、車を通して誰かと楽しさを分かち合う時間も、大切にしていきたいと思っています。
私が父と車を楽しんだように、車をきっかけに会話が生まれ、大切な人と過ごす時間が、忘れられない思い出になる。その魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい。それが、私がレースを通して伝えたいことです。
サーキットには、さまざまな世代の方が足を運びます。初めて目の前で見るレーシングカーや、仲間と力を合わせて走るチームの姿が、誰かの心に残るかもしれません。家族で観戦した一日が、何年たっても語り合える思い出になるかもしれません。私たちの活動が、そんな時間のきっかけになれたらと思っています。
北海道で生まれた思いを、全国の舞台へ。
私のレースデビューは、2024年。北海道クラブマンカップのN0ヴィッツへの参戦でした。
実際にレースに参加して、その楽しさを強く感じました。同時に、参加者や観戦者の数を見て、この楽しさを知る人が、北海道でもっと増えてほしいと思うようになりました。
自分で走る人だけでなく、チームを支える人、観戦を楽しむ人、初めて興味を持つ人。さまざまな関わり方が増えていくことが、北海道のレースをもっと面白くしていくはずです。
北海道でレースを支えてきた方々がいるからこそ、私もスタートラインに立つことができました。その輪に、さらに多くの人を迎えたいと考えています。
その思いからAndLegal Racingを立ち上げ、全国の舞台であるスーパー耐久への参戦を決めました。北海道の方には、地元のチームを応援する楽しさを感じていただきたい。全国の方には、私たちを通して北海道のモータースポーツにも関心を持っていただきたいと思っています。
耐久レースでは、ドライバーが一台の車を乗り継ぎ、メカニックやスタッフと力を合わせてゴールを目指します。それぞれが役割を果たし、仲間の走りを支える。その姿には、人と人が力を合わせる面白さがあります。私たちは競技に真剣に向き合いながら、その過程も伝えていきたいと考えています。
レースを通して、士業を身近な存在に。
このチームには、私が司法書士として日々感じてきた思いも込めています。
私は、司法書士法人アンドリーガルで、お客様の相談をお受けしています。そのなかで、「相談に行こう、行こうと思っていたけれど、ようやく相談に来ることができました」とお聞きすることがあります。
困ったことがあっても、専門家に相談するまでには勇気が要る。そもそも、司法書士や弁護士などの士業に、何を相談できるのかが分からない。そうした距離を、少しでも縮めたいと思っています。
レースを通して、一人の車好きとしての私を知っていただく。仲間と協力し、うまくいけば喜び、思うようにいかなければ悔しがる姿に触れていただく。そんな交流の先に、困ったときに「あの人に聞いてみよう」と思い出していただける関係をつくりたいのです。
同時に、士業それぞれがどのような役割を担い、どのような場面で人の暮らしや仕事を支えられるのかも、分かりやすく伝えていきたいと考えています。
将来、実現したい夢の一つがあります。スーパー耐久に参戦する一台の車のドライバーを、弁護士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士、弁理士など、士業だけで構成することです。
異なる専門分野を持つ仲間が、一つのチームとして同じ車を走らせる。その挑戦をきっかけに、士業の仕事や人柄に関心を持っていただけたらと思っています。専門家への最初の声かけが、今より少し気軽なものになることを願っています。
次の世代が、挑戦できるチームへ。
AndLegal Racingでは、若いドライバーの育成にも力を注いでいきたいと考えています。
車が好き、レースをしてみたい。そんな気持ちが、実際の挑戦へとつながっていく。その過程を支え、若いドライバーが経験を重ね、成長できるチームを目指します。
かつて父が、私に車を好きになるきっかけをくれたように、今度は私たちも、次の世代が車やレースを好きになり、自分の目標を見つけるきっかけをつくりたい。そして、そこから一歩を踏み出す人を応援したいと思っています。



















